読売デジタルサービスでよく知られるヨリモは、読売新聞の無料会員制サイトとして何と2006年以来、長年にわたり非常に多くの方々に利用されてきました。またかつては、「暮らしに役立つプレミアムなサービス」といった言葉をキーワードにして、人気アイドルによる公演の先行チケットの販売を手掛けたり、書き下ろし小説の連載、さらには著名人によるブログなどを掲載したりしていました。これらの他にも、健康相談やマネー情報といった大変貴重な情報も載せていたため、実に多くの利用者を抱えていたものでした。特に人気公演の優先的な販売は、まさにサイトの目玉商品ともなり、非常に大きな人気を集めていたものです。
そんな人気の会員制サイトの昔について振り返ると、今の状況についても色々な疑問が湧きあがってくることでしょう。何と言っても多くの人にとって一番気になるのは、なぜこれほど人気の高かったヨリモがなくなったのだろうかという点かもしれません。
実際、2006年6月1日にスタートして以来何と6年半もの間、非常に多くの支持者を誇ってきたこのサイトが、2014年3月31日をもってそのサービスを終了したことはよく知られています。それに伴って、同じ年の1月31日をもって記事の更新を終了しました。読売新聞の購読者の中には、このサービスを長年楽しく利用してきたため、サービスの終了を非常に残念な思いで迎えた人もいると思われます。しかし、このサービスの終了は、利用者にとって決して残念な結果になったというわけではないのです。実は、無料会員サイトであるヨリモがなくなった主な理由は、新たなデジタルサービスの展開を図るために必要とされるサイト見直しのためと言うことができます。つまり、利用者は今までよりももっと良いサービスが受けられるようになるというわけです。
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ここでもう少し、ヨリモ会員が受けることのできたサービスについて説明しておきましょう。一言で会員と言っても、単に一つの制度があるだけではなく、幾つかのグループが存在していました。例えば、2年以上継続して読売新聞を購読している長期読者会員と、購読が2年未満という読者会員、さらには未購読の一般会員という3つのグループに分類されていたのです。それぞれの会員グループによって利用できるサービスにも幾らか違いがあり、長期読者会員の場合は全てのサービスが利用できるのに対して、読者会員と一般会員の場合は一部のサービスについては利用が制限されるというものでした。言い換えれば、読売新聞の購読者を優遇するといったコンセプトだったわけです。
こうしたサービスを展開していた当時の読売新聞社に大きな影響を与えた要素の一つは、ライバル社が取った行動つまりライバル社が提供を始めたサービスにあると言えるでしょう。かつてのライバル社は、新聞購読の会員をデジタルの無料会員に自動的に移行させたのです。読売新聞社においても同様の試みを展開し、展覧会や映画への招待に加え、プレゼントへの応募といったある種のサービスに関しては、新聞購読者だけが入会できる「読売プレミアム」と呼ばれる有料サイトに移行することで、コンテンツの充実を図るようにしました。
過去何年間にもわたり、読売新聞社では、数々のインターネット上におけるサービスも積極的に展開してきました。その中には一般に「ヨミウリ・オンライン」と呼ばれる無料ニュースサイトに加え、上述の無料会員制サイトであるヨリモ、さらには読者限定の有料サイトである「読売プレミアム」、そして教育や医療に関わる専門サイトといったサービスが含まれています。ここで、6年半もの期間にわたって利用されてきた無料会員サイトを、思い切って有料サイトである「読者プレミアム」に吸収させることによって、サービスの充実化を図ろうというのが新たに打ち出された方針になったのです。
とは言え、読売新聞社においては無料のサービスそのものがなくなってしまったわけではありません。無料のニュースサイトは依然として継続されています。実はこの点が、先ほど出てきたライバル社とは異なっていると言われているのです。ライバル社では、無料サービスが中止されてい舞ったからです。そのような取り組みによって、読売新聞社が推奨する、新聞購読者に対するネットサービスと購読者以外の人々に対するネットサービスを分けて考え、それぞれの利用者に合わせてサービスや情報の提供を変えていこうという強い思いが反映されるようになったと言えるでしょう。
今こうして振り返ってみますと、2006年以来6年半にもわたって非常に多くの人に歓迎され利用されてきたヨリモというサービスは2014年に亡くなりましたが、それは決してマイナスの要素があったからではありません。これまでよりも充実したサービスを提供できるようにするためであり、より多くの人にそのサービスを利用してもらうためなのです。